2021.03.08
リーダー
JR札幌駅直結、北海道のランドマークホテルJRタワーホテル日航札幌。
地上100メートル以上の高層階の窓から望む札幌のパノラマビューが満喫できる人気のホテル。
その人気ホテルの客室清掃を支える清掃リーダー堀井さんにお話を伺ってきました。
その日の出勤人数を見て、各フロアの清掃担当と※インスペクション担当の業務割り当てを行っています。清掃の時間が始まると、インスペクション担当者から、点検時に不備がある部屋の連絡が来た場合、随時、やり直しの依頼を清掃員に行っています。あとは全体的な清掃の進捗状況を把握し、清掃が遅れている時には自らサポートに入る事もあります。15時のチェックイン開始に間に合うように、限られた時間で最大限の品質向上に努めています。
※インスペクション・・・清掃が終了した後に「点検」を行い、その部屋にお客様を通して良いか最終判断する業務
9:00 清掃担当とインスペクション担当の業務割当
お客様のご要望に応じて客室に用意する備品や注意事項などをミーティングの引継ぎ内容をまとめる
10:00 ミーティング
10:30 電話の窓口(客室管理、清掃担当、インスペクション担当、施設課とのやりとり)
清掃やインスペクションのフォロー
15:00 休憩
16:00 ロビー、宴会場などパブリックエリアの清掃をフォロー
事務所でデスクワーク
お客様へ貸出品のお届け
17:30 帰宅
客室に入った瞬間の「第一印象」です。インスペクション担当として、目に見える汚れや不備に気付くことはもちろんですが、私が大切にしている事は、お客様の立場で客室に入った瞬間に「違和感」を感じないかどうかです。直観的な部分になりますが、違和感を感じる客室ではソファや空気清浄機の位置がずれていたり、いつもとの違いに気付くことがあります。この感覚は、他のインスペクション担当も同じように持っているので、自分の感覚にずれがあると感じた時は、お互いに確認しながら、品質の高い客室を提供できるように努めています。
「手袋」「マスク」の着用に加え「消毒」の作業工程が増えました。今まで客室に置かれていた、案内文書、ファイル、冷蔵庫内のドリンクなど、お客様同士が手に触れる可能性のあるものに関しては出来る限り撤去しました。他の清掃スタッフも、自身やお客様を守るための感染予防であると理解して行ってもらっています。消毒の作業工程は増えましたが、補充などの作業工程がなくなっている為、スタッフの負担や清掃時間が増えている事はありません。すべてお客様の安心の為、丁寧に作業を行っています。
チェックアウトしたあとの客室に置いてある、お客様からのお礼のコメントが一番うれしいです。たとえメモ書きであったとしても励みになります。そういったコメントはメンバーで共有できるように、バックヤードに掲示してあります。
現在は分業になっていますが、将来的には清掃とインスペクションのどちらもできる人材を育てていきたいです。課題として、どちらかしかできないと仕事に偏りができてしまうと感じています。例えば、インスペクターが清掃もできることによって、違う視点でチェックができるようになると思うのでメリットは大きいです。お互いの仕事を理解するという意味でもチームワーク向上になりますし、急な欠員にも対応できるので、清掃品質を維持する為にもマルチに行えるようになると良いと思います。
例えば、連泊でご滞在中のお客様が外出されている間に行う清掃に関して、FTGに取り組む前までは「お客様の私物には一切触れない」ことがルールとしてありました。それが、FTG研修の中で、お客様が帰ってきた時に、「より快適に過ごせるような空間づくりをする」という清掃を学び、「一切触れない」から「整える」にルールを変更しました。バスルームなどに置いてあるお客様の化粧品が乱れていたら、ハンドタオルを敷いて清潔に使い易く並べる。充電器のコードをきれいにまとめる。服はたたんで置いておく。そうすることによって、清掃の時にお客様の姿はありませんが、少しでもお客様の姿を意識した清掃を行えるようになったと思います。
JRタワーホテル日航札幌では、世界中のラグジュアリーホテルを審査する格付けシステムに挑戦して、札幌市内で初めてRecommended(推奨)”ホテルに認定されました。(2020年2月)この成果は、宿泊部門や料飲部門、バックヤード部門のスタッフすべてが努力を重ねた結果だと思っています。その中でも客室については、基本の衛生的な清掃はもちろん、外出先から戻ってきた際、お客様が「ホテルスタッフは理解している」「繋がりを感じる」と思っていただけるかが重要になっています。ホテルビジネスの基本である客室の衛生以上の基準を求められていますが、客室部門のスタッフはお客様に思いを馳せて、しっかり対応してくれていると思います。
堀井さんは、清掃リーダーとして常に周りに目を配り、遅れている所には自らフォローに入るなど、高品質な客室を提供する為に行動する、プロフェッショナルな姿が印象的でした。清掃チーム全体の雰囲気も良く、堀井さんを中心に前向きな明るさが感じられるとても良い職場でした。ホテル全体で北海道が制定した「新北海道スタイル安心宣言」に沿った感染防止対策が講じられており、お客様や従業員に対しての配慮が感じられる素晴らしいホテルでした。JRタワーホテル日航札幌の皆様、この度はMake Rの取材にご協力いただき誠にありがとうございました。
ホテルの客室清掃スタッフの
魅力や想いを
世界に伝えたい!
MakeRとは「RoomをMakeする人達」を表現した造語です。
ホテルの客室を清掃・メンテナンスし、
快適な空間を作り上げる客室清掃スタッフやハウスキーパーの皆様の
イキイキとした姿や仕事への想いを世界に発信するプロジェクトです。